旅行添乗員 椿晴子 「ごもっともでございます」

亡夫?敬介（犬塚弘）の跡を継いで代表となった椿晴子（浅野ゆう子）の旅行会社『椿観光』に２泊３日の旅行の申し込みがあった。お客は、久野鈴（佐々木すみ江）という築４０年程のマンションの管理組合理事長。鈴は、マンションの住民が立て替え賛成派と反対派に分裂して激しく対立し、イヤガラセ騒ぎも何件か起きたことから、親睦のため旅行を考えたのだ。鈴に晴子の会社を推薦したのは、敬介の時代に『椿観光』を利用したことがある賛成派の幸田光咲（坂口良子）。ところが、義娘の天子（森公美子）と企画書を持って久野家を訪ねた晴子は、そこで殺されている鈴を発見した。警察の捜査が始まる中、光咲は、鈴の供養のためにぜひとも親睦旅行を実施したいと晴子に頭を下げる。光咲の熱意に打たれた晴子は、旅行を予定通りに行うと約束した。そして、旅行の日、晴子が添乗員、天子が助手を務めるバスには、８人の住人が乗り込んだ。賛成派は、光咲の他、学習塾経営の坂本秋生（正名僕蔵）、フリーライターの村野薫（鯨エマ）の３人。反対派は、人材派遣会社社長の富山まり子（深浦加奈子）、新築当時からの住人?市原准（勝部濱之）、里子（木村翠）夫婦、ネットオタクの野上真一（永堀剛敏）、介護師の林由理（すほうれいこ）の５人。やがて、初日の観光が終わって到着した修善寺の旅館では、仕事の関係で遅れた賛成派で銀行役員の沢田康（萩原流行）が加わり、和やかに宴会が始まった。後をこっそり付けてきた刑事たちの話によると、事件の前、鈴と、住民の建て替え費用を管理している沢田が、激しく言い争っているのが目撃されたらしかった。ところが、宴会が終わって程なく、部屋に戻っていた沢田が変死体で見つかった。