備後表

日本の豊かな四季?気候風土に育まれた畳。その中でも、広島県東部の備後地方で生産される「備後表」、色艶?耐久性ともに優れ、高級畳表の代名詞ともなっています。
　　現代生活の洋式化、化学製品や工業化の波に押される中で、畳をはじめとする日本伝統工芸のほとんどは、天然の素材から生まれ、自然の恵みのひとつひとつを大切に活用し、仕上げられていく、人にも環境にも優しい、日本人の知恵と文化の逸品であることを改めて見直してみたいと考えています。
　　この作品では、備後表の発祥の地ともいわれる、広島県福山市沼隈の藺草生産農家?岡崎さんの四季を通しての藺草の栽培?収穫と、先代から引き継がれ、大切に使われてきた足踏式織機で62年備後表を織り続ける寺岡文子さんを紹介します。